もはや、多くを語る必要はありますまい。


 臨也はこの時のために今まで息をしていたのです。
 あの娘の命を奪ったものを追い、
 その命を奪うために、
 そのために生き、そのために情報屋になり、そのために再びこの大地へと戻った。
 草原の生まれる、この国に。




 そして、今。
 草原を吹きわたる風に乗って、うつくしい声が響きます。